自然光と照明の関係性
こんにちは。 西尾です。
段々、肌寒くなってきました。
職人さんもやっとひと夏超えたと安心しております。
照明と自然光の話を少し。
以前は、部屋ごとに、
天井の真ん中に1個シーリングライトと呼ばれる
大きな照明器具を付けるのが主流でした。
この器具の良いところは、なんと言っても、
寝る時に、常夜灯(別名豆球)に出来ることであり、
真っ暗にして寝るのが怖い人にとっては
非常に嬉しい機能なんです。
しかし、この器具はデザイン的な面で言うと、
決してカッコ良いとは言えないことから、
近年は、この器具に変わって
ダウンライトと呼ばれる天井埋め込み型の
小さな照明器具を数多く設置するようになってきたり、
間接照明を随所に使用することが主流となってきています。
そして弊社でも、照明器具のベースを、
ダウンライトで設計させていただいているのですが、
意匠性を高めるために、
バランスを考えて器具を配置することはもちろん、
部屋や場所によって設置する場所に気を付け、
より過ごしやすい空間になるように工夫を施す必要があります。
例えば、寝る時は上を向いて寝るため、
基本的にはベッドの真上に器具をつけないようにすべきです。
シーリングライトなら常夜灯に出来るので問題ないですが、
ダウンライトは、たとえ調光機能をつけたとしても、
どうしても常夜灯よりも明るくなってしまい、
睡眠の妨げになりやすいからです。
また、こういったプライベートルームは、
寝る前に過ごす場所なので、
リラックスして過ごしていただけるように
照明を配置すべきなのですが、
読書や勉強をする時には、暗いことがストレスになるため、
同時にそうならないようにも気を付けなければいけません。
リビングにおいても、
よく考えて照明を配置すべきです。
テレビに光が直接当たり過ぎると、
反射して画面が見にくくなってしまうし、
一方で、ソファーを置く場所にも、
直接的に光が当たり過ぎると、
逆にリラックスして過ごしていただきにくくなってしまうからです。
それゆえ、プライベートルーム同様、
直接的に光を当てた方がいい場所と、
間接的に光を当てた方がいい場所で、
器具を使い分けたり、配置に工夫するなどの配慮が必要になります。
ダウンライトの設置位置を工夫したり、
あるいは、別の器具で光を補助的に補ったり、
あるいは、間接照明を使ったり、という風に。
✔️日中も場所に応じて光の採り方に工夫が必要
そして、この光に対する配慮は、
夜だけじゃなく、日中においてもきちんとすべきことです。
例えば、寝室は文字通り、
「ただ寝るだけの部屋」であるため、
基本的には、太陽が出ている間は使うことがありません。
そしてそう考えると、そもそもこの部屋を、
日当たりが良い位置に配置する必要がありません。
また、子ども部屋に至っても、
日当たりが良い南に配置し、
しかも大きな窓をつくってしまうと、
太陽の光線が鬱陶しくて、
自分の部屋で勉強しにくくなってしまうため、
無理に日当たりが良い位置に配置する必要はありません。
子供たちは、遅かれ早かれ、
いずれ出て行くことになるし、
そうなれば物置として使うようになる可能性も
充分にあり得ますからね。
他方、一般的には、
日当たりを良くした方が良い場所が、
なぜか日当たりが悪い場所に配置されています。
洗面室やランドリールームといった水回りです。
最近は、アレルギーのこともあってか、
外干しよりも室内干しを希望される方が増えていますが、
そうなれば、ランドリールームは、
出来るだけ太陽の直射日光が当たる場所に配置した方が、
いいとは思いませんか?
直射日光が当たれば、除菌効果がありますしね。
この他、一番過ごす時間が長いリビングは、
一番日当たりを良くしたいと誰もがお考えになるし、
その実現のために、リビングを一番日当たりが良い南に配置し、
その南面に大きな窓を設置されますが、
そのほとんどがカーテンが閉じられた状態になってしまっています。
丸見えになってしまうからです。
また、日が入ってき過ぎて暑いせいか、
あるいは、紫外線で家が傷んでしまうのを防ぐためか、
あるいは、光がテレビに反射して見にくいせいか、
あるいは、防犯的な理由なのか、
シャッターまでも閉まっているお家をよくお見かけします。
これでは、光が室内に入ってこないし、
なんのために大きな窓を設置したか分からないですよね?
ですから、日中の自然光も、
直接的に採り込むべき場所と
間接的に採り込むべき場所を見極めて、
敷地条件に合わせて間取りを考えるようにすべきなんですよね。
結果、昼間も夜も、
非常に過ごしやすいお家が出来上がるというわけです。
「光」は心地いい暮らしをするために、
最も大切な要素と言っても過言ではありません。
それゆえ、昼も夜も大切な「光」を、
心地よく感じられるような住まいを意識しながら、
間取りや外観をつくっていっていただければと思います。
西尾建設株式会社
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